最高水準の腎臓病及び透析医療を追求する京王線千歳烏山駅北口の夜間透析・在宅透析も行う腎内科クリニック世田谷です。

菅沼院長の元気で長生き講座
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腎内科クリニック世田谷
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第109回 元気で長生き講座【2021年7月号】

菅沼院長の元気で長生き講座

 

~長生きの秘訣「100才まで楽しく歩こうプロジェクト」調査結果より~

 

日本人の平均寿命は年々上がっており、現在香港・マカオに次ぎ世界第3位。100歳を超える高齢者の数は、アメリカに次ぎ世界第2位。現在世界最長寿の方は、福岡県にお住いの田中カ子(かね)さんで、1903年生まれ、御年118歳です。1903年はなんと日露戦争開戦の前年です。2019年に世界最高齢としてギネス世界記録に認定され、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて辞退されましたが、東京五輪の聖火リレーのランナーに内定しておられました。毎日オセロで対決をしたり詩を作ったりと頭を使っていること、食べたいものを好きなだけ食べていることが長寿の理由だと、ご本人はおっしゃっているそうです。頭を使うことは認知症予防にもなり、食べることで良好な栄養状態が保たれ、長生きされておられることと存じます。また、45歳時膵臓癌、103歳時大腸癌を手術で克服されておられ、癌等の合併症の早期発見早期治療のため定期検査(胸部レントゲン、心電図、腹部エコー、腹部CT、胃カメラ、便潜血(大腸癌検診)、乳癌検診、子宮癌検診等)をお勧めいたします!

 

長生きに関し、キューサイ株式会社の「100歳まで楽しく歩こうプロジェクト」にて、100歳以上の方100名とそのご家族を対象に行った生活実態調査が大変参考になる内容なのでご紹介いたします。食事・運動・交流がキーワードで、食事で歯も大事で、定期的な歯科を含む他科受診でも運動や交流が生じると考えられますので、お勧めいたします!

 

<たんぱく(蛋白)質をしっかり摂る>
元気な100歳以上の方の、1日3食(朝・昼・夕)を3日間、計9食の食事内容を食事日誌に記録しました。その結果、100人分の3日間の食事900食のうち、たんぱく質をしっかりと摂取した食事は809食(約89.9%)にのぼりました。上位から、「鶏・うずらなどの鳥の卵」が31.9%、「豆腐(厚揚げ等も含む)」22.7%、「牛乳」が22.6%で、続いて「ハム、ソーセージ、ベーコンなど肉の加工品」が15.6%、「豚肉」・「タイ・タラ・カレイ・鮭/サーモン等の白身魚」が13.9%と続き、動物性たんぱく質を含む食材が上位にあがっています。加えて、1食でたんぱく質を多く含む食材が2品以上含まれていることもわかりました。

 

第62回元気で長生き講座(2017年2月号)にて紹介しましたが、2010年の予後調査にて、2004~2006年の2年間の食事摂取状況と7年後の生命予後との関連について、血液透析患者346名(男性212名、女性134名)を対象に検討を東京医科大学病院腎臓内科教授菅野義彦先生が行った結果、生存群の食事はエネルギー摂取量が高く、中でも蛋白摂取量が高いことが明らかとなりました。蛋白質で最も多い血中アルブミン値が高い透析患者様程長生きされていることも知られております。さらに、蛋白源となる食材摂取量の詳細な解析にて、生存群では魚介類や卵類、乳類では摂取量に差はなく、有意に肉類の摂取量が多いことが認められました。特に、動物性油脂類は、生存群で摂取量が約2倍有意に多いことが明らかとなっています。蛋白質摂取によるリン(P)値上昇を心配される方もいらっしゃると存じますが、高P血症に対しては食事でのP制限よりも透析量の増加、次にP吸着薬内服をお勧めいたします。蛋白摂取量や筋肉量が多い透析患者様が長生きされておられますので、積極的な筋肉の元になる蛋白質の摂取と歩行等の運動にて筋肉量が維持又は増加し、元気で長生きにつながることでしょう!

 

<誰かと一緒に食事>
食事の時に同席者がいる頻度を聞いたところ、「ほとんど誰かと一緒に食べている」が70%、「時々1人で食べることもあるが、誰かと食べることが多い」が11%となり、実に80%以上の方が一人ではなく誰かと一緒に食事を摂っているようです。常に誰かと食べることが難しい方もいらっしゃると思いますが、長生きされている方は食事をほぼ誰かと一緒に摂っている方が多いようです。

 

<咀嚼して食べている>
100歳以上の方の歯の残本数を聞いたところ、「3/4くらい残っている」が6%、「半分くらい残っている」が15%、「1/4くらい残っている」が12%で、3分の1の方はご自分の歯が残っていました。また、義歯を使用することも含めて58%の方が「食事の時に前歯でお肉をかみ切ることができる」、同じく59%の方が「奥歯で固い食べ物をかみ砕くことができる」と、『自力で食べ物をかむことができる』と回答されており、50%以上の方が自ら噛んで食べていることもわかりました。

 

<「食」への意識の高さ>
「長寿の秘訣はなんですか?」を聞いた質問に対しては、「腹八分目」、「好き嫌いなく何でも食べる」、「3食をきちんと食べる」など、55人の方から「食」に関する答えが返ってきました。中には「好きなものだけを食べる」「お肉料理が大好きでよく食べる」など、好みのものをすすんで食べることが秘訣と答える方もいらっしゃいました。

 

<フレイルの危険度が低い>
フレイルとは、心身の活力が低下した状態で、加齢による心身の変化に個人をとりまく社会・環境の要因が加わることによって引き起こされます。ご自分の筋肉量が測れる簡易型のフレイルチェックテストを100歳以上の100人の高齢者に行ってもらったところ、3人に1人の方は筋肉量が多く、フレイルの危険度が低いことがわかりました。

 

<世の中のことに関心があり、コミュニケーションを楽しむ>
新聞などを読んでいるかを聞いたところ、55%が新聞などを読んでしました。また、若い人に自分から話しかけることがあるかを尋ねると、76%の方が話しかけることがあると答えました。前項に行ったフレイルチェックテストの結果と比較すると、筋肉量が多い人程自分から若い人に話しかける比率が高い結果となりました。100歳以上で元気な方は、新しい情報や周囲とのコミュニケーションに対し積極的で、社会とのつながりを今でも持っています。