第55回 元気で長生き講座(2016年6月号)
週3回の血液透析実施中の米国の32,065名における平均2.2年の追跡期間にて、全死因死亡,感染症関連の死亡,心臓を原因とする死亡,心停止による死亡,心筋梗塞による死亡及び入院,うっ血性心不全による入院,不整脈による入院,心血管イベントによる入院,脳卒中による入院いずれも、透析間隔が2日空いた日のほうが、1日空いた日よりも、発生率が高かったことが報告(Foley RN,Gilbertson DT,Murray T,et al.Long Interdialytic Interval and Mortality among Patients Receiving Hemodialysis.N Engl J Med 2011;365:1099-107.) されています。
米国、欧州及び日本の22,163名における透析間隔と全疾患死亡率の関連について、透析日と曜日別死亡率は、月水金(a)は月曜、火木土(b)は火曜、即ち最も透析間隔が空く曜日での死亡率が高かったこと( 次頁図) も報告(Zhang H,Schaubel DE,Kalbfleisch JD, et al.Dialysis outcomes and analysis of practice patterns suggests the dialysis schedule affects day-of-week mortality. KidneyInt 2012 ;81 :1108-15. )されています。
以上の大規模な報告より、2日空きを無くすもしくは軽減することで、より良い生命予後が期待出来ます。血液透析患者様におけるこのような危険な2日空きを無くすもしくは軽減するには、次の3つの方法があります。
1.在宅血液透析(HHD)を行う。
HHDは保険上透析回数制限がありません。本院HHD患者様は全員2日空きを無くした週4回以上(週4~7回)の頻回透析を実施頂いております。
2.月14回目の透析を行う。
施設での血液透析は月14回まで(15回目以降は材料費のみ)保険が適応されます。透析回数は月13回の月が多く、月水金の方は土曜、火木土の方は月曜に14回目の臨時透析をお受け頂くことで、月1回程度、2日空きを無くすことが出来ます。
3.週末にオーバーナイト(深夜)透析を行う。
例えば、月水金の方は毎週末金曜深夜に睡眠時間を利用した8時間のオーバーナイト長時間透析実施で、尿毒素や水分がより多く蓄積する2日空きとなる時間を短くする事が出来ます。
上記、発展的血液浄化療法実施を御検討頂き、希望される場合はスタッフまで
ぜひお申し出下さい!