人工透析・糖尿病専門外来 千歳烏山駅北口

菅沼院長の元気で長生き講座
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腎内科クリニック世田谷
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第56回 元気で長生き講座(2016年7月号)

菅沼院長の元気で長生き講座

~貧血改善のためにも「しっかり食べて動いてしっかり透析」をお勧めします!~

 

メディカ出版より「患者指導にすぐ使える透析患者の検査値ポケットブック」が今月71日に発行となりました。菅沼がトップの生命予後とも関連する重要項目「ヘモグロビン(Hb)/ヘマトクリット(Ht)」の執筆を行っております。Hb/Ht値は貧血の指標となり、現在はHbが広く用いられるようになりました。こちらの書籍で記述させて頂きましたコラムの内容の一部を今回ご紹介させて頂きます。

 

1.食事

Hb上昇により心負荷が軽減されても、DW(ドライウエイト:透析後目標体重・基準体重・乾燥体重・基礎体重)の7%を超えるような過剰な透析間体重増加は心負荷や血圧上昇をまねきかねないため、塩分の制限は必要です。一方、貧血改善には、十分な蛋白質(特に赤味の肉は貧血改善効果が報告されているカルニチンが豊富に含まれています)、ビタミン等の栄養素及びエネルギー摂取が望まれ、亜鉛や鉄欠乏がある場合は亜鉛や鉄分の多い食事もお勧めです。国内より肉の摂取量の多い透析患者様生命予後良好(長生き)の報告もなされてきています。

 

2.運動

運動により栄養状態や貧血改善も期待できます。

 

3.十分な透析量の確保

貧血是正及び透析量増加に伴う生命予後改善1)や長時間透析により貧血改善及び造血ホルモン製剤(ESA)減量が報告2)されており、食事制限緩和が可能な十分な透析量の確保をお勧めします。高P(リン)血症及び代謝性アシドーシスが高度(血液ガス検査にて重炭酸濃度が低値)であるほどESA使用量が多いとの報告3)もあり、透析量増加は貧血の一因とされている二次性副甲状腺機能亢進症を助長する高リン血症や代謝性アシドーシス対策にもなります。

 

1) Wolfe RA, Hulbert-Shearon TE, Ashby VB, et al: Improvements in dialysis patient mortality are associated with improvements in urea reduction ratio and hematocrit, 1999 to 2002. Am J Kidney Dis. 2005;45(1):127-35.

2) Ok E, Duman S, Asci G, et al: Long Dialysis Study Group: Comparison of 4- and 8-h dialysis sessions in thrice-weekly in-centre haemodialysis: a prospective、 case-controlled study. Nephrol Dial Transplant. 2011;26(4):1287-96.

3) Diskin CJ, Stokes TJ, Dansby LM, et al: Can acidosis and hyperphosphataemia result in increased erythropoietin dosing in haemodialysis patients? Nephrology (Carlton). 2006;11(5):394-9.