最高水準の腎臓病及び透析医療を追求する京王線千歳烏山駅北口の夜間透析・在宅透析も行う腎内科クリニック世田谷です。

菅沼院長の元気で長生き講座
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腎内科クリニック世田谷
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〒157-0062 東京都世田谷区南烏山4-21-14

第45回 元気で長生き講座(2015年8月号)

菅沼院長の元気で長生き講座

~高リン血症に対しては食事制限よりもしっかり透析とリン吸着薬内服の勧め~

 

血清P(リン)濃度(P値)が高くなる高リン血症はリン酸カルシウムを形成し異所性石灰化の原因となり、PTH(副甲状腺ホ ルモン)値はもちろん、Ca(カルシウム)値よりも生命予後に関連する事が知られており、最優先で適正値(日本透析医学会の「 慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン」 (透析会誌45 (4 ):301-356 ,2012 )では透析前P値3.5~6mg/dL)にすべきとされております。

 

昨年腎内科クリニック世田谷患者友の会主催の勉強会での坂井瑠実クリニック理事長坂井瑠実先生の御講演で印象的だったのは、

 

1.蛋白質制限でP値低下

2.リン吸着薬でP値低下

3.透析量増加でP値低下

 

の3群で、蛋白質制限でP値が低下した群が最も成績が不良で、蛋白質はしっかりと摂取すべきであるとのお話で、蛋白質摂取で来たしうる代謝性アシドーシス、尿素窒素(UN)上昇や高リン血症に対しては、蛋白質制限ではなく、リン吸着薬や透析量増加にて対応すべきと考えられます。

 

先月横浜にて開催された第3回日本腎不全栄養研究会学術集会・総会にて、長崎国際大学健康管理学部健康栄養学科の林俊介先生が血液透析患者様20名にて非透析日・透析日の連続する2日間に実際に摂取した全ての食事と同じ食品・料理を同量保管してもらい、回収し栄養成分分析を福岡市の日本食品機能分析研究所に依頼。その結果、リン摂取量と蛋白質摂取量とに強い相関関係を認めたものの、驚くべき事に、リン摂取量、蛋白質摂取量及びリン・蛋白質比のいずれも血清リン濃度と相関は認められず、リン管理良好群、高リン血症を認めた不良群の両群間においてもリン摂取量に有意な差はなかった事を報告されました。

 

P値が高いからと蛋白質を制限してしまうと低アルブミン血症等の低栄養のリスクが高まります。アルブミン値は高い方程長生きされている事もよく知られております。林先生のご報告からも、高リン血症に対しては効果が不明瞭な上に低栄養のリスクを生じうる食事制限よりも、小山師長が過去最高の2万人を超える参加者があった本年6月の横浜での第60回日本透析医学会学術集会・総会にて長時間透析にてP値が低下しリン吸着薬が半量に減量出来た患者様を報告しており、まずは透析量(主には透析時間、血流量や血液浄化器膜面積)を多くして頂き、次にリン吸着薬増量の検討をお勧め致します!