人工透析・糖尿病専門外来 千歳烏山駅北口

菅沼院長の元気で長生き講座
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腎内科クリニック世田谷
腎内科クリニック世田谷
〒157-0062 東京都世田谷区南烏山4-21-14

第64回 元気で長生き講座(2017年4月号)

菅沼院長の元気で長生き講座

~二日空きでのDWに対する体重増加率46%で最も生命予後良好です~

 

血液透析をお受けになっている多くの患者様が、透析と透析の間に透析後よりも体重が増加し、透析時に増加した分の除水を行っておられることと存じます。DW(ドライウエイト:透析後目標体重・基準体重・乾燥体重・基礎体重)に対しどのくらい体重が増えたかが毎回本院では透析支援システム内にて自動計算されております体重増加率と生命予後が密接に関係することが報告されております。2009年末のわが国の慢性透析療法の現況では、二日空き(週初め:月曜もしくは火曜)でのDWに対する体重増加率46%で最も生命予後良好であり、3%未満又は7%以上で生命予後不良となっています(図)。それぞれでその理由は異なります。

 

7%以上と体重増加が多いと心臓や血管に負担がかかり、心臓の筋肉が厚くなってしまういわゆる左室肥大をきたし、高血圧、心房細動等の不整脈やうっ血性心不全、動脈硬化症の原因となり、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、脳卒中(脳梗塞・脳出血)や末梢動脈疾患(慢性閉塞性動脈硬化症)といったいわゆる心血管病を引き起こし、命にかかわることが考えられます。また、透析間体重増加が多い方は透析時の除水量が多くなってしまうため、透析中の下肢つり、血圧低下(透析低血圧)や透析後の疲労感を来たしやすくなります。透析中の血圧も生命予後との関連が報告されており、透析低血圧を防ぐ最も良い方法は透析時間もしくは回数の増加です。透析間体重増加の主な原因は塩分と水分の過剰な摂取が言われており、体重が増加しすぎないよう塩分と水分は控えて頂く必要があります。

 

一方、3%未満の方は食事量が不十分であることが要因として考えられます。しっかり食べて栄養不足にならないよう務めましょう。栄養状態の良い方、筋肉量や透析量の多い方の生命予後良好が報告されておりますので、本院の勧めている「しっかり食べて動いてしっかり透析」を引き続き基本にしましょう!

 

以上より、日々の体重を是非意識して頂ければ幸いです。