人工透析・糖尿病専門外来 千歳烏山駅北口

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腎内科クリニック世田谷
腎内科クリニック世田谷
〒157-0062 東京都世田谷区南烏山4-21-14

学会・研究会関連ご報告

院長ブログ
【透析医療従事者向け】
 会 長 稲葉 雅章 先生(大阪市立大学)
 会 期 2020年 11月2日(月)~ 24日(火) WEB開催

 

6月予定でしたが今年はCOVID-19の為、来週から24日までWEB開催となりました。本院からは下記2演題を発表します。一般演題はデジタルポスター形式での発表で、ワークショップ(WS)はオンデマンド配信されます。何卒宜しくお願い申し上げます。

 

[Ⅱ3-O96-2] [筆頭著者] 菅沼 信也 ((医)社団菅沼会腎内科クリニック世田谷人工透析内科) クエン酸含有無酢酸重炭酸透析液(CD)を用いたオンラインHDFや在宅血液透析(HHD)における異所性石灰化抑制の可能性

 

[Ⅲ9-WS10-2] [筆頭著者] 菅沼 信也 ((医)社団菅沼会腎内科クリニック世田谷人工透析内科) 「長時間透析に適した透析処方1 血流量,透析効率ほか」~長時間透析においても高血液流量透析,高効率透析実施可能である~

 

事前登録されております抄録内容は下記です。

 

[Ⅱ3-O96-2] クエン酸含有無酢酸重炭酸透析液(CD)を用いたオンラインHDFや在宅血液透析(HHD)における異所性石灰化抑制の可能性

[筆頭著者] 菅沼 信也 ((医)社団菅沼会腎内科クリニック世田谷人工透析内科)

[共著者] 西澤 喬光 ((医)社団菅沼会腎内科クリニック世田谷臨床工学部) 正木 一郎 ((医)社団菅沼会腎内科クリニック世田谷臨床工学部)

【背景】透析液の酢酸やクエン酸負荷の影響が危惧される.

【方法】CDを用いた本院外来血液透析患者146名対象に骨密度(DEXA法による橈骨遠位1/3)と透析歴の関連を調査.

【結果】HDやI-HDFで長期透析歴患者で骨密度が有意(P=0.017,0.034)に低く,オンラインHDFで長期透析歴患者で骨密度が低い傾向(P=0.095)あるも有意差無く,HHD患者で関連なし(P=0.7).

【考察】骨密度と大動脈石灰化指数の負の相関や,特にCD HDFにてcCaP積低値(JSDT,2009年末)が報告されている.AndreasらがFetuin-Aと共に高pHが血清石灰化傾向(T50)を延長させ低pHでT50短縮を報告(J Am Soc Nephrol 23(10)P1744-52,2012)し,Georg LorenzらがCDにてT50が有意に延長を報告(Nephrol Dial Transplant 33(11)P2043-51,2018)した.

【結論】クエン酸負荷が増大する骨密度低下が少ない傾向のオンラインHDFやHHDでの異所性石灰化抑制の可能性が示唆される.

 

[Ⅲ9-WS10-2] 「長時間透析に適した透析処方1 血流量,透析効率ほか」~長時間透析においても高血液流量透析,高効率透析実施可能である~

[筆頭著者] 菅沼 信也 ((医)社団菅沼会腎内科クリニック世田谷人工透析内科)

[共著者] 阿部 達弥 ((医)社団菅沼会腎内科クリニック世田谷臨床工学部) 西澤 喬光 ((医)社団菅沼会腎内科クリニック世田谷臨床工学部) 正木 一郎 ((医)社団菅沼会腎内科クリニック世田谷臨床工学部)

【目的】透析量が多くなる長時間透析にて高血液流量(高血流)透析や高効率透析は,過剰なアミノ酸やアルブミン漏出に伴う低栄養が危惧される.当施設では高血流透析を日常的に行っており調査.

【対象】HHD実施患者9名(男性8名,66.0±16.8歳,透析歴7. 6±3.7年,HHD歴3.0±1.4年),HHDを含む長時間透析開始患者15名(男性15名,55.5±12.8歳,透析歴6.9±6.8年,QB324±55.7mL/min)と2019年末長時間施設透析患者18名を含む血液透析患者146名ら当施設外来維持血液透析患者を対象に調査.

【結果】HHDは二日空きを無くした頻回透析を実施頂きHDP70以上推奨.QB最大は高P血症に対し400mL/minとし穿刺針15G.HDP109.4±35.3,QB276±69.9mL/minの高血流であった.骨密度(DEXA法による橈骨遠位1/3)と透析歴との関連は,施設透析では透析歴が長い患者で骨密度が有意に低かったが,HHD患者では関連が無かった.クエン酸含有透析液を用いたHHDを含む長時間透析開始15名にて半年後DW,BMI共に有意な増加,ERIの有意な低下(4.4±3.8→1.5±1.6)を認めた.HHDを除いた6時間以上の長時間施設透析患者18名の2019年末平均QB314±62.3mL/min(穿刺針(A)15.5±0.6G)でむしろ6時間未満に比べ有意に高値.年齢や体重に有意差あり,患者背景の違いが示唆された.透析効率spKt/V2.08±0.5でやはり6時間未満に比べ有意に高値で,大量液置換オンラインHDFを11名の過半数で実施しておりAlb漏出量の多い血液浄化器(FIX250S,MFX21-25Sや25U)を用いた高効率透析を7名で実施.

【考察】骨密度と大動脈石灰化指数との負の相関が報告され,骨密度低下が少ないHHDでは異所性石灰化抑制も期待される.むしろ体重増加や貧血の改善を認め,透析時間が長いほどspKt/V高値患者でより生命予後良好が報告(Saran R,et al: Kidney Int. 69(7):1222-1228, 2006)されており,過剰透析よりも透析不足を危惧すべきであろう.

【結論】長時間透析においても高血流透析,高効率透析実施は可能で選択肢になりうる.