人工透析・糖尿病専門外来 千歳烏山駅北口

菅沼院長の元気で長生き講座
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腎内科クリニック世田谷
腎内科クリニック世田谷
〒157-0062 東京都世田谷区南烏山4-21-14

第30回 元気で長生き講座(2014年5月号)

菅沼院長の元気で長生き講座

〜第17回在宅血液透析研究会をふりかえって:しっかり透析の勧め〜

 

こちらの講座も早30回を数えるに至りました。菅沼の育ちは長野県ですが、出生地である静岡県にて先月開催された第17回在宅血液透析研究会に参加しました。

 

在宅血液透析(HHD)の歴史は長く、5時間の方が多く高血流のしっかり透析で好成績の城北クリニックのある名古屋で1968年より開始され、近年急速に実施者が増加しており、2012年末に全国で400名近くとなっています。

 

HHDには短時間頻回及び夜間長時間血液透析があります。低血流(低い血流量)で実施された夜間長時間血液透析は期待された程の効果が出ず、低血流の透析ではカテーテルが閉塞あるいはシャントが閉塞するなどのトラブルが多くなるバスキュラーアクセスの問題が原因の一つであろうと報告されています。高血流により血液が固まりにくくなるのです。一方、今回の在宅血液透析研究会で講演された糖尿病の夫が血液透析導入し、HHDを実施している米国のLinda(リンダ)Gromko先生は、HHDの効果として、感染に強くなり、睡眠、生殖機能やうつ状態の改善と共に「シャントの管理が良くなります」と述べられ、HHDの利点として、洋服も自由でプライバシーが守られること、頻繁に透析が出来るため、もっと自由に食べることが出来ること、通院に有する時間を節約出来ることもあり、HHDは限りなく「普通」に近い生活を可能にするとの事でした。

 

第17回在宅血液透析研究会記念冊子「HopStepJump!在宅血液透析」が配布されました。たくさん頂いてきましたので、今回だよりと共に皆様に配布させて頂きます。冊子に登場するMさんはHHDを行う理由の一つとして、「長時間透析が出来る事」を挙げていらっしゃいます。長時間透析は長時間透析研究会にて「週
18時間以上(週3回では1回6時間以上、隔日では1回5時間以上)」の血液透析と定義されています。冊子の「 在宅透析と施設透析の比較」の中で、「十分な透析は、尿毒素の除去・PTHの改善・EPOの反応性・骨髄造血作用を改善させる」 と記述されていますが、PTHは副甲状腺ホルモン、EPOはエリスロポエチン(造血ホルモン)の事で、しっかり透析することで尿毒素が多く除去され、リン値が低下しPTH値低下や、造血ホルモン製剤が効きやすくなり、貧血の改善が期待出来ます。しっかり透析により、「元気で長生き」実現の可能性が高まるでしょう!